おそまつさんのポイント
私が中学生だったら、おそまつさんで同人処女を散らしているはずだ。
そして数年後には黒歴史だ・・・と頭をかかえるところまでがワンセット。
ということで、最終回を迎えましたおそまつさんの感想や注目すべきポイントについて。
アニメの最終回は、前回のシリアス回の後編ということで、きっとみんな就職したけどすぐ辞めてシェーー!!!で〆ると待ち構えていました。
その予想の斜め上。まさかの唐突な野球回。みなまでは言いません。見てください。話はそれからだ。
まず思ったことは枠から逸脱する形でのギャグ。
一人で常識から外れるのは簡単な話なんだけれども、アニメ制作というのは大人数が関わっているという中で、あの展開を作り出したというのがすごい。ストッパーがいないという恐ろしさ。今後のDVDの売り上げは大丈夫なのかなと心配するレベル(内容的に)
赤塚作品のマンガは残念ながら読んだことがないから、このノリでご本家がOK出しているというのに驚きが隠せない。
驚きを与えるという意味では成功しているし、反響は大きいだろう。
大人が子どもに与えるものとしての説教臭さはなく、クリエイターと視聴者との毎週に及ぶバトルだった。シナリオが構築されている故の普通のおもしろさでなく、枠から出ることによる常識を外したおもしろさ、シュールさで大健闘したアニメだった。個人的にはキャラが文字情報になる話がお気に入りである。
だからこそ、誰もが思いつくけれど、社会通念的にやらないし、肩身が狭くなるから真っ先に候補から外すことをあえてやる心意気をどれだけ受け入れるかということにかかっている。たとえば1話の有名アニメパロとかやりたくても抗議の電話必須でしょうし、露骨な下ネタも視聴者層が狭まるから選ばないよね。
この作品を好きになって、同人への一歩を突き進んだお嬢様方もたくさん生まれたでしょう。兄弟の背徳萌えとか、顔の善し悪しではなく性格の違いから生まれる萌えとか。コスプレの衣装もそろえやすく、コスへの興味も広がったお嬢様もいらっしゃるでしょう。
またおそ松のような作品に出会いたい!と思ってもそうは問屋が卸しません。
なぜなら、あくが強いものを生み出すにはクリエイターのエネルギーが必要だから。
おもしろいかおもしろくないか、自己判断アニメとしょっぱなから制作陣も冗談めかしていたのを思い返すと、毎週ギリギリのラインを狙って制作していたのがうかがえます。
普通に、定石を重ねて感動を生むように作った方が視聴者のウケも得やすいですし、終わりがあるからこそ作品としてのクライマックスが生まれます。
終わりがないというのは怠惰になる。とくにギャグの場合は終着点が見いだしにくい。毎回自由なことが出来るというのは、ギャグのお得な部分でもあり、作品の致命的な部分でもある。おもしろくなかったら次回見てもらえないという綱渡りなのだ。
DVDやグッズの売り上げが上手くいっても、次の話を作るハードルが話が進むにつれ高くなるだろう。くどいギャグというのは寒さとおもしろみの境目がない。
25話全力でシュールギャグをやりきった制作陣には拍手です。
第二期を作るとしても、第一期のイカレたテンション(※褒め言葉です)に慣れたファンを満足させるのは至難の業だと思う。
だからこそ元ネタである赤塚先生の偉大なる才能を感じてしまう。
ブームというのは一過性で過ぎていくから人が集まる節がある。急激に盛り上がったらあとは衰退あるのみなのだ。
おそまつさんブームを延命させるとしたら、第一期アニメで獲得したファンを逃さないために
①6月~夏あたりに舞台orミュージカル
②冬アニメ二期
③来年に映画
④あわよくばまたアニメの延長(銀魂スタイルへ)
原作のもつ知名度から資金的にも集まりやすいコンテンツなので、これくらいはするかなと。
(私なりに予想していたら最終回アニメの中で隠しメッセージらしきもので予告が...)
(※銀魂とおそまつの大きな違いはキャラ立てであり、銀魂はギリギリのラインを狙っていることもあれど、作品の根底としてはどのキャラにもダメな面もあるが頼れる面もある。おそまつはダメな面の中に残念な個性があるため、話をおもしろく作ろうとすればするほど焼き畑農業みたくネタがなくなるか大やけどになる)
ここ最近は、多くの女性向けアニメによる舞台やミュージカル展開があって、オタクから金をむさぼり取ろうとしているのが丸わかりでとても怖いです。嬉しい悲鳴です。
まあ、楽しいものにはお財布開いちゃうけどな!!(ちょろい)
だからこそ、無難にマーケティングしていると他の勢いに負けてしまう世界になってきていますね。
煩悩というかフェチズムの力って強いなあ・・・
これが財布を開かせる鍵である。
おそまつさん自体の感想は、えぐいギャグは驚きはあっても全てが楽しめるわけではないと気がつかせてくれた作品。新たな時代に果敢に挑戦して振り切った姿にはある種の感動がある。怪作として名が残るかもしれない。
兵部の萌えポイント
見えてる沼は避けられるのだ。
これでもオタク歴は長いのでハマりそうなものには警戒して近づける。余計にハマる前に冷静な気持ちに切り替えることで平常心を保っている。
だが予想外の萌えには身をゆだねるしかなかろう。
兵部京介は萌えのブラックホールだった。
出会いはアンリミテッド
のアニメであった。
アニメ放映当時はSFマンガのスピンオフで俺ツエー系主人公は好みではないとスルーしていたのですが、最近気になる声優No.1の遊佐さんが出てるので早速視聴。
即落ちでした。
な・・・・・・なにこのキザなのにかわいいボス。
もともと遊佐さんの上から目線気味にからかうようなお声が好きだったのもあって
なおさらドストライクでした。
アンリミテッドアニメ→絶対可憐チルドレンという流れでハマっていきます。
アンリミテッド時点での兵部の印象は
・✝闇でしか裁けない罪がある✝
・アンリミテッドからのスーパーサイヤ人
・クールで慕われるボス、ミステリアス
・見た目は子ども!中身は85才!
・過去編での姉に逆らえない素直な神童(シスコン)
この時点では、ああ、シスコン中二病なショタじじいとしか思ってなかったんです。
ここで終わればスルー案件だった。(遊佐さんの台詞は録音するけどね)
ロリコン要素もユウギリだけだったので、子どもにも優しいボスか程度で。
原作の兵部の濃さといったら・・・
濃度100%のなましぼりジュースよりも濃い(わかりにくい!)
・10才の女児に「僕のクイーン」「花嫁にしたい」(年の差70のロリコン)
・自分自身を窮地に追い込んだ非エスパーへの復讐が目的といいつつ、
昔の自分のようにエスパーの子どもが迫害されない未来を作るため活動を推進
→過去の報われなかった自分を救うための行動でもある。
・未来を変えたいが、行動原点が復讐にあるため簡単には幸せにはなれない
忘れて過去のものにしたほうが良い出来事が根底にあるので精神的にも肉体的にも大人になれない
・闇のピーターパン
・生きる希望はエスパーの予知で見た大人になったヒロインの姿
・過去と未来にとらわれすぎて今を大切に生きれない
・だが重要なギャグ要員である。お茶目じじい。おとなげない。
・冷酷なのに詰めが甘く、気を許した人には甘い。
・最強の敵の立場でありながら、姉の情にはほだされやすいし、ヒロインたち3人娘の窮地は駆けつける(タキシード仮面かな)
・皆本の理想に内心惹かれつつも、過去に裏切られた後遺症から素直にうなずけない
・理想に生きすぎてて危うい
・だからついて行きたいし面倒見たくなる(もはやパンドラ構成員の心境)
・総じてかわいい
・大事なことだからもう一度言う、かわいい。
アンリミテッド時点では黒の詰め襟着ている意味が分からなかったんですが
原作ではもはや、アイデンティティの一環でした。永遠の思春期。ミステリアスな美少年。ここらへん、ポーの一族のようです。詰め襟からブレザーになった高校編は1番の避けるべき過去は断ち切ったという意味だと思っている。
黒の詰め襟というとジョジョの承太郎を思い出すのですが、ここも似たようなインスピレーションですがバベルなんでしょうね。
理想と現実の折り合いがつけられず、青写真が見えないユートピアに全力で突撃するロマンあふれる茶目っ気のあるショタじじいに骨抜きです。
情緒的、精神的に安定しているキャラも良いなあとは思うんです。
皆本みたいな大人に私も子ども時代会いたかったなとか。
全力でぶつかれる相手がいるのはうらやましくもあったり。
でも作品の登場人物として強く惹かれるのは兵部京介。この不安定さがたまらない。
光が強ければ闇もまた強くなる・・・という意味では対比となる、薫と皆本の人物像が明るく未来を見据える正しさがあるからこそ兵部の闇がいっそう際立つのです。
まっとうな人としての理想は薫と皆本です。
迷いながらも、必死にぶつかって生きていく明るさが作品の根底には広がっていて、生きることをさぼってるんじゃないと暗に言われるようにも思えます。
読後、すがすがしい気持ちにしてくれるという安心感がこのメイン二人にはある。
読み進めると、兵部が自身の問題にも向き合う話もあり、どんどんバベル側と仲良くなっていくので
よかった・・・大人になってきたんだね京介・・・だけど子どもっぽいなじじい!!という謎な親心が生まれます。
これまでの作品の伏線からすると、兵部の身体はもはや限界に来ているということなので、どのような形で作品から退場するのか、はたまた薫たちがその未来まで変えてしまうのかがこれからのみどころになると思います。
連載応援しております!!